ペットと暮らすことではぐくまれた子どもの自己肯定感
動物と一緒に暮らすと子どもの教育に良い、という話があります。一概にそうとも言えないこともあるのだけれど、豊かなものを返してくれることも確かにあります。
楽しさや癒し、果ては免疫力の増加など、いろんなメリットが言われている子どもと動物の同居ですが、私が一番強く感じている効果は、子どもの自己肯定感を高めてくれるということです。
子どもを持って初めて気づいたのですが、実は子どもは誰かの役に立ちたいという気持ちをすごく持っています。上手にできるかどうかは別として、お手伝いしたくていつも手ぐすね引いて待っている。
我が家の子供たちも、洗い物をやってくれたり(キッチンびしょびしょ)、庭を箒で掃いてくれたり(落ち葉を集めても散らばされる無限ループ)といろいろお手伝いをしてくれましたが、一番助かったのが猫の餌やりでした。これなら簡単だから2才児にもできるのです。
後片付けが大変な他のお手伝いと違って私も心から「ありがとう!」と言うことができたし、言われた子どもたちはとてもうれしそうでした。
そしていつもお世話される側だった子どもたちに、自分がお世話しなければいけない存在ができる、というのは大きな転換点だったようです。猫を見る目がすっかり保護者になって、こちらが言わなくてもあれこれ世話を焼き、猫の日々の体調も気にするようになりました。
動物を飼うと責任感が身につくということをよく聞きますが、私にとっては責任感というどことなく義務感が漂うことばではなく、自信や自己肯定感といったことばがしっくりくる変化でした。
自分を必要としてくれる存在と、自分は誰かの役に立っているという実感は、子どもを一歩、成長させてくれたようです。